netXは通信と最大限のデータスループットを実現できるよう最適化された新しいシステムアーキテクチャを持つ、高度に統合されたネットワークコントローラです。
netXは32ビットのCPU ARM 926EJ-Sをベースにしており、クロックは200MHzで、メモリ管理ユニット、キャッシュ、DSP、Java拡張機能を備えています。ブートローダーを含む144KBの内蔵RAMと32KBのROMメモリは、小規模なアプリケーションには十分です。Windows CEおよびLinuxの場合、メモリはSDRAM、SRAM、またはフラッシュにより外部で拡張されます。上位ホストへの接続はデュアルポートメモリインターフェース経由で行われますが、このインターフェースは、スタンドアロンアプリケーション用の16ビット拡張バスとしても構成可能です。
豊富な周辺機能、UART、USB、SPI、I²Cなどのシリアルインターフェースにより、多岐にわたるアプリケーションに対応します。中央データスイッチと独自のインテリジェンスを備えた自由に設定可能な3つの通信チャンネル、ハイエンド・ネットワークコントローラとしてのnetXの、他の製品とは一線を画すユニークな特長です。データスイッチは5つのデータパスを介して、ARM CPUや通信、ホストコントローラをメモリまたは周辺ユニットに接続します。このようにコントローラーは、従来のシーケンシャルアーキテクチャとは異なり、たった1つの共通データバスと追加のバス割り当てサイクルだけでデータをパラレルに転送します。
3つの通信チャンネルのコントローラは同一で、2層構造になっています。これらは専用のALUと、プロトコル関数をマイクロコード経由受け取る特殊論理ユニットで構成されています。さらに2つのチャンネルには、イーサネット用PHYが内蔵されています。
メディアアクセス・コントローラxMACは、それぞれのバスアクセスプロセスに応じてデータの送受信を行い、データをエンコードまたはバイト形式に変換します。
プロトコル実行コントローラxPECは、データをパケットにコンパイルし、テレグラムトラフィックを制御します。
データはARMメモリ搭載のDMAでブロックごとに交換されます。別の方法として、各チャネルのデュアルポートメモリはステータス情報用、あるいはローカルプロセスデータメモリにすることも可能です。
インテリジェント通信ALUにより、netXは多種多様なプロトコルとプロトコルの組み合わせを実現し、CPUの反応時間に関係なく同期させることができるため、産業用通信テクノロジに全く新しい境地を開きました。